最高裁判所第二小法廷 昭和28(オ)1309 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告代理人弁護士河辺久雄、同上代琢禅の上告理由第二点。
借家法第一条ノ二に規定する建物賃貸借解約申入の「正当の事由」とは、賃貸借
当事者双方の利害関係その他諸般の事情を考慮し、社会通念に照らし妥当と認むべ
き理由をいうのであること、当裁判所の判例(昭和二四年(オ)第二〇三号、同二
五年六月一六日第二小法廷判決、集四巻六号二二八頁)とするところである。原判
決は、所論のように、「正当の事由」の解釈を誤つて絶対的必要性乃至生命的重要
性の存する場合だけを意味するものとしているのではなく、本件にあらわれた当事
者双方の利害その他一切の事情を比較考量した上で、結局、本件解約申入に正当の
事由がないと判断した趣旨であることが、その判文上明らかである。そして、原判
決認定の事実関係によれば、原審の右判断は十分首肯できるところであるから、論
旨は理由がない。
その他の論旨は「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」
(昭和二五年五月四日法律一三八号)一号乃至三号のいずれにも該当せず、又同法
にいわゆる「法令の解釈に関する重要な主張を含む」ものと認められない。(論旨
引用の判例は本件と事実関係を異にし適切でない)。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 栗 山 茂
裁判官 小 谷 勝 重
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裁判官 藤 田 八 郎
裁判官 谷 村 唯 一 郎
裁判官 池 田 克
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